美ヶ原

ビーナスラインを八島ヶ原湿原から走ること約23km、美ヶ原にある山本小屋に到着する。ビーナスラインの終点である美ヶ原高原美術館まで行ってしまうと、美ヶ原らしい景色は見ることが出来ません。これは多くのガイドブックではなかなか語られていないことですが、本当に美ヶ原らしい景色を見るのには、ビーナスラインを走って行くと美ヶ原を堪能するのにはかなりの苦労を要するという事実が抜け落ちているからです。

美ヶ原=高原の風景+牛+美しの塔というイメージですが、何の基礎知識もなく美ヶ原に行くと、大抵はビーナスラインをそのまま美術館まで行ってしまうので、そんな景色に出会えないという間違いからはじまるのでしょう。

	美ヶ原のシンボル「美しの塔」。 ここに行くのには、ビーナスライン終点少し前、左側にある山本小屋の駐車場に車を停め、ここから歩かなくてはなりません。そこから牧場内を歩くこと約15分。約800mほどの道のりです。道としては平坦で運動靴であれば問題なく歩くことが出来ます。まわりは開けた牧場で牛や馬などが放牧されています。 美ヶ原の本当の魅力を知らないでやってきた人は、おそらくここら辺で引き返してしまい、美ヶ原って大したことがない景色の場所だったと、帰ってから口を揃えて人に話すでしょう。
	美しの塔から更に歩くこと約2km、時間にして40分ほどの場所にあるのが、こちら「王ヶ頭（おうがとう）ホテル」。美しの塔の当たりから見ると、かなり遠くに見えていて、さらに少し登りになるので、気合いが必要です。この先200mにあるのが、「王ヶ頭（おうがとう）」の山頂です。
	こちらが「王ヶ頭」山頂。標高2,034m。「美しの塔」近くでは見ることが出来ない断崖絶壁の景色と遠くの山々を見ることが出来、あそこで引き返しちゃった人たちは、ダメだな〜と思ってしまう景色が目の前に広がります。
	さらに歩くこと、約20分で「王ヶ鼻（おうがはな）」。王ヶ頭から西に延びた尾根の先端にあり南端の絶壁からは、天気が良ければ松本盆地、北アルプス、御岳山、八ヶ岳、富士山などを望むことが出来る。 ということで、山本小屋から約1時間半ほどの行程で、美ヶ原の景色を全部満喫できる事となります。帰りの行程も含めて約3時間ほど。かなりの気合いがいると思いますが、あまりアップダウンはないので、のんびり散歩気分で歩けるハイキングコースです。
	え〜。こんなに歩かないと見られないんですか？という人に朗報。王ヶ頭近くまで車で行く方法もあります。それは、松本からアクセスする方法。ラクーンからはかなり遠回りになりますが、松本インターまで長野自動車道で行き、そこから浅間温泉、美鈴湖を経て美ヶ原駐車場へ。行程は松本ICから約27km。そして、駐車場から王ヶ頭まで約1km、25分ほどで歩くことが出来ます。 左の写真が、松本側から上った駐車場。
さて、ここで大きな落とし穴にはまる場合があります。この地図をよく見てください。 山本小屋から美術館、番所ヶ原スキー場、武石峠、美ヶ原牧場を経て、王ヶ頭方向に道がつながっていて、そこを走ればいいじゃないかと思う人もあるかもしれません。 確かに道はつながっていますが、かなりの遠回りな上に道幅も狭く、私としてはあまりおすすめしません。ならば、はじめから松本まわりをおすすめします。そんなの平気と言う方は、どうぞ。
	ということで、長い文章になりましたが、片道1時間半歩くことになりますが、天気が良く、景色がみえていれば、それ以上の感動をもたらしてくれる場所であることは間違いありません、、、、、が、なにぶん標高も高く、天気も変わりやすく、霧も出やすい場所なので、天気が安定したシーズンに万全の準備で歩いた方がいいのでは？と思う場所です。

美しの塔　小県郡（ちいさがたぐん）長和町美ヶ原高原5101-1
お問い合わせ先　0268-88-2345　長和町産業振興課商工観光係

王ヶ鼻　松本市入山辺美ヶ原王ヶ鼻
お問い合わせ先　0263-34-3000　松本市観光温泉課